どぶろくを体感しに岩手県遠野まで行って来た

こんにちは 世界をまたにかける味噌ラーのミアです。

日本酒はずっと好きでした。

世界一周旅行へ行くそのずーっと前、恐らく未成年の頃から「日本酒だってイケる女子」を気取っていたんです。

まあそろそろ女子の年齢も過ぎた頃だし知ったかぶりはやめて理解を深めたいところなんですね。

若きミーハーのワタシは大人の飲み物としての日本酒へ興味がありましたが、最近は米麹による発酵食品としての日本酒に興味を持つようになりました。

米麹への興味は日本酒のみならずどぶろくにも及びました。

どぶろくとは

まず呼び名について。

そもそも酒税法上は、×どぶろく→○その他の醸造酒×いわゆる透明の日本酒→○清酒です。

ここではわかりやすさのためにどぶろくを「どぶろく」、いわゆる透明の日本酒を「清酒」と呼ぶことにしましょう。

どぶろくと清酒の違い

原料の違いはありません。両者とも、米、麹、酛(酛とは酒母とも言い、麹と蒸米、仕込み水に酵母菌と乳酸菌が加わった酒造りのもととなるもの)を含んでいます。

製法の違いはどうでしょう。乱暴にくくると、最後に濾過をしっかりしないものがどぶろく、しっかりするものが清酒になります。

ただし、歴史的には小規模に家庭で作っていたのがどぶろく、酒蔵が量産するものが清酒という背景があるため、清酒の方が原料の質や量、温度、配合するタイミングなどの厳密な管理と微調整がされています。そのため味も比較的どぶろくはおおらかで清酒は繊細です。

さらに酒税法によると、

アルコール度数はどぶろくが20度未満、日本酒は22度未満と定められている。年間製造量はどぶろくが6キロリットル以上、清酒は60キロリットル以上。税金はどぶろくが14万円/1キロリットル、清酒は12万円/1キロリットル。

どぶろくの商用利用は清酒ほど見込まれていません。

またこういった酒税法の定める他に、どぶろくには特例があります。

それが巷で「どぶろく特区」と叫ばれているもので、年間製造量が6キロリットル以下の場合でも特定の条件を満たせば製造販売して良いというものなんです。

その条件というのが下記の通りで、かなり厳しいです。

・特区内に所在している
・自ら販売できる農家民宿や農園レストランを持っている
・どぶろくの原料とする米は自ら生産したものかそれに準ずるもの

……う〜ん、一部の選ばれし者しか該当しないですね。

どぶろくの基礎知識がついたところで遠野のどぶろくに話を移そうと思います。

さてなぜ遠野へ?

今回はるばる関東から遠野まできてどぶろくを飲みにやって来ました。

理由には、まず遠野がどぶろく特区であるということ。

また遠野には発酵食で地域起こしを狙うコミュニティーがあるということ。どこかでそんな記事を読んでいてすごく興味がありました。おそらくこのあたりの記事。次世代の田舎のあり方を探求し、つくりつづける「遠野Next Commons Lab」byイケダハヤト

そこへ来てどぶろく名人がいる噂も友人から聞き、待ってておくれ必ず行くよと遠野への旅を実行したのであります。

実を言うと2013年の東日本大震災で釜石へボランティアで訪れた際に遠野に宿泊しました。それまで縁もゆかりもなかった地でしたが、地元の方に「トオノ」とはアイヌ語のトーヌプ(沼の野という意味)が由来なんだなんて教わったり、また柳田國男の遠野物語と相まったりして遠野には通りすがりの一目惚れ的感覚を覚えていました。

そんなわけでワタシの人生初のどぶろくは遠野のどぶろくになったわけです。

ああ遠野 待ってておくれ ああ遠野……

名人佐々木要太郎氏のどぶろく

話には聞いていたどぶろく名人というのが佐々木要太郎氏です。

杜氏であると同時に乳製品や魚、肉の発酵食のプロであり、発酵食で地域起こしを狙うプロジェクトの中核も担っていらっしゃる凄腕。数多くのメディアにも取り上げられています。ご参考までにこちらが佐々木要太郎氏の運営するオーベルジュ、「とおのや 要(よう)」のHPです。

飲んだらわかるのですが、佐々木氏の作るどぶろくは繊細です。どぶろくだけで飲んでおいしいのは当たり前。佐々木氏が作った漬物やチーズ、プロシュートなどの発酵食品をつまみに食べたら感動するおいしさです。

……それは、納豆に醤油がピタリと合うような完璧なマッチングと味の相乗効果! (我ながら良い例え!)

ここまで食事との相性を計算し尽くしたバランスの取れたアルコールっていうのは清酒でも造るのは難しいのではないかと。

それもそのはずで、難しい生酛造りで酒を作る久保本家酒蔵(奈良県)で働いた経験があるらしいんですね。

人生初めてのどぶろくは幸運にも高品質のどぶろくでした。佐々木要太郎氏の存在はわざわざ遠野まで来てどぶろくを味わうというニーズを作り出しているでしょう。

どぶろくは生きていた

どぶろくはシュワシュワ鳴ってるし見るからにお腹まで生きて届く菌たち!って感じです。

どぶろく

民宿とおのでオーダーした 佐々木氏率いるチームが作ったどぶろく

ちょうどモンゴルで飲んだ馬乳酒に似ています。

あと作り手に叱られるかもしれませんがカルピスソーダも連想しました。(小声)

アルコール分も低く酔っ払っている暇がない。だらしなく酔っ払いたいのに背筋がしゃんと伸びて次の日の朝の体調がすこぶる良くなる。清酒がその時限りの幸せ投与剤だとすると、どぶろくは永久的幸せ投与剤、そんな雰囲気です。

はるばるやって来た遠野で一人どぶろくとこうして対話、もしくは妄想できたことは本当に楽しかったです。また遠野を訪れてその時々で表情の異なるどぶろくと向き合いたいと思うのでした。


プロフィール

ミアタケ

2年4ヶ月に及び、みそ汁をふるまう世界一周旅行をする。味噌に感化され和の文化が好きに。帰国後30歳からミア流和式花嫁修業に精を出す。
さまよいがちにグローバル化する現代ニッポンの産物であり、博愛主義の愛国者と自分自身を分析する。

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