黒船ペリーの時代から既に始まっていた外国人の刺身嫌い

こんにちは 世界をまたにかける味噌ラーのミアです。

世界一周旅行でみそ汁をふるまい、帰国した現在は和食料理屋で修行をする傍ら民泊の運営をしています。

民泊では、海外からのお客様に和食や味噌の良さを知って楽しんでほしいという思いも込めておもてなしをしています。

和食が喜ばれるとは限らない

我が家の民泊の特徴はゲストと必ずコミュニケーションをとること。ざっくばらんな会話から相手の旅のスタイルや食の好みを感じ取り必要な情報を提供します。

スムーズで快適な日本旅行を全うしてもらいたい、と願うと同時に日本文化をより深く知ってほしいと思いがあります。

会話の中でリクエストがあれば日本酒や甲州ワインの味見のサービスを説明とともにしたり、デモンストレーションしながらのお出汁のひき方、味噌の説明なんかもしています。

これが大変喜ばれます。

「今まで味噌スープって一体何かわからなかったけどこれですっきり疑問解消した」とか
「自国で売っている日本酒と比べるとすごくおいしい」とか、良い反応が帰ってきます。

一方で「味噌汁は臭いから好きじゃない」とネガティブなコメントを聞くこともあります。

でもこれは全然オーケー! 想定内。

和食は好きと言われれば嬉しいですが、嫌いと言われても受け入れなくてはいけません。

だって例えば私の茨城のおばあちゃんはお肉を食べない環境で育ち今でもお肉は食べません。それと同じなのです。出汁の匂いが苦手だったり、魚を食い物だとすら思っていない外国人を残念がってはナンセンス。文化の差と認識しなくてはいけません。

和食キャパシティ

おもしろいことに「味噌汁は好きじゃない」と思っているゲスト含め、日本旅行に来ている誰しもがそれぞれのベクトルとキャパシティの中で和食を探求したいと思っている点です。

ここに着眼していきたいと思います。

本当に様々なバックグラウンドを持った方がうちの民泊にやってきます。和食の基本的知識がある方、肉食の方、ソースたっぷりが好きな方、淡白な味付けが好きな方、生野菜が好きな方、ひとそれぞれです。

まず、和食に保守的な人たち。「こんなの食べて大丈夫?」とか「気持ち悪い」などと鼻から思っているケースです。そう思って味見をすると実際に感じるおいしさも急降下。和食キャパシティが小さいとワタシは呼んでいます。

逆に和食にオープンな人たち。「おいしそう」と思って試すと、実際においしく感じる確率は上がります。こういう人たちのように「この食べ物イケそう」と思っている食の対象が広ければ広いほど和食キャパシティが大きいと勝手に表現しています。

「おいしそう」と思える背景には、自国で和食レストランに行き慣れていることや、肉ばかりではなく野菜や魚を食べる食生活を営んでいること、素材の味を楽しめる味覚が備わっていること、大豆や発酵食品の価値を知っていることなどいろんな要因があります。

実はワタシも自身の食のキャパシティが小さいと感じたことがありました。

トルコの家庭でものすごくすっぱい手作りヨーグルトをオファーされたことがあり、「これって食べて大丈夫なの?!」と思い始めたら最後。その次の瞬間からそのヨーグルトは「おいしくない」と脳が勝手に認識するんです。

食のキャパシティの大小は程度こそ違えど誰にでもあることで、良し悪しではありません。

味噌汁や出汁を得体の知れるモノに

得体の知れないものを食べる時って誰でも「まずいかも知れない」「体に悪いものかも知れない」という恐怖を少しは持ち合わせています。

そうするとなんとなくおいしさも半減してしまいます。それって和食の価値を広めたいワタシからするととてももったいない

だからチャンスロスを減らすために、出汁の説明と味噌汁の作り方や味噌とは何かを説明するようにしています。

「この魚の匂いがする液体(かつおダシ)はこんなに手の込んだものだったんだ」、「味噌は体に良いものだったんだ」と認知され、おいしいって感じてくれる人が増えるかも知れないですからね。そしたら大成功ですよね。

ペリーたちも食べなかった刺身

食文化には想像以上に大きい隔たりがあるというお話です。今まで述べたことと相反するかも知れませんが、和食の良さって誰にでも受け入れられるものではないということです。

和食が文化遺産に登録されいわゆるブームになっている今でも、日本に来てまでシンプルなトーストを食べたい人がいることは事実なのです。

最近読んだ小泉武夫著 幻の料亭・日本橋「百川」-黒船を饗した江戸料理-という本があります。高級料亭百川の料理人は、ペリー御一行約500人に対し1人当たり現代にしておよそ30万円相当の料理をふるまったらしいのです。

幻の料亭・日本橋「百川」: 黒船を饗した江戸料理
小泉 武夫
新潮社
売り上げランキング: 179,850

その内容は本膳料理で魚介類の刺身や吸物、煮物、焼物などなんと90品にも及びました。しかし御一行の士官たちは刺身には手をつけなかったと記されており、最高級の料理の良さが伝わらなかったというエピソードです。

またペリー側の通訳は(もしかしたら別の日の食事を指している可能性もあるが)「さして費用をかけたものではなかった」と記録しているらしいのです。

あちゃーなんてこった、ですよね。

しかしこれぞカルチャーショックいやはやカルチャークラッシュってやつだし、ペリーたちが悪かったわけでもなく百川や幕府が悪かったわけでもない。それだけ文化の差は大きかったいうことなのです。

簡単に万人に和食が受け入れられるわけではないということを再認識させられます。

まとめ

外国人旅行客が和食を受け入れられる幅(和食キャパシティ)はひとそれぞれ。まずは食文化の差をこちらが認めつつ、和食をおいしいと思ってくれるような基盤を作ることができば良いかなと。少なくとも自分の役割はそこにある。

例えば出汁や味噌の良さを体感してもらえれば和食をおいしいと感じてもらえる確率が少し上がると思うから、本枯れ鰹節は作るのに1年もかかるっていうことや、ホンモノの味噌は無添加でゆっくり熟成されることなんかもどんどん伝えていけたらな!


プロフィール

ミアタケ

2年4ヶ月に及び、みそ汁をふるまう世界一周旅行をする。味噌に感化され和の文化が好きに。帰国後30歳からミア流和式花嫁修業に精を出す。
さまよいがちにグローバル化する現代ニッポンの産物であり、博愛主義の愛国者と自分自身を分析する。

Facebook: https://www.facebook.com/misodama.world/
Twitter: https://twitter.com/MiaTakeshige
Instagram: https://www.instagram.com/mia_takeshige/
English Blog: http://misospot.com/
Youtube: https://www.youtube.com/channel/UC-CAlUVk2PRbz0pdnhidZgg