梅の異名に思い巡らせてみた

こんにちは 世界をまたにかける味噌ラーのミアです。季節感を表現できるヤマトナデシコを志しています。

さて、「梅」。

今日はその心を探ってみようじゃありませんか。茶の湯の銘 大百科 淡交社を参照し梅の異名や梅にまつわる言い回しについて調べてみました。

2月中旬に撮った梅。小田原にて

2月中旬に撮った梅。小田原にて

梅の異名

此花(この花)

梅の異名。「難波津に咲くや此花冬ごもり今は春べと咲くや此花」『古今集』(仮名序)渡来人王仁が難波津高津宮で即位した応神天皇の第四皇子仁徳天皇を寿いで詠んだ歌。

「The flower」と言えば「梅」を指すということですね。

花の兄(はなのあに)

梅の雅称。冬をすぎ、四季の花の中で一番に咲く花をいう意での呼名。

四季の始まりは春ですので、一番先に咲く花となるわけですね。ちなみに「花の妹」なんてのはあるのかしら? と疑問に思い調べましたがないようです。

梅にまつわる言い表し

梅が香(うめがか)

梅の花の香りをいう。上古には梅の花は色よりも香に心がこめられていた。(茶の湯の名 大百科)

梅の匂いと言われて思い起こせますか? 梅って、鼻をくってけて一生懸命嗅いでもよく分からないくらい微かな匂いだと思うのですが、昔の詩人は見た目よりも匂いを重宝したということで、たいそう繊細な心をお持ちだったんですね。

寒梅(かんばい)

寒い冬の間に咲く梅の品種。雪の下からのぞく梅花はすばらしい。(茶の湯の名 大百科)

これぞ元祖ちらりズム。雪から少し顔を出している様は画に動きやストーリーを与え、色気がプラスされます。

寒紅梅(かんこうばい)

寒中に咲く梅のこと。花の色は紅色、または淡紅色で香が少ない。雪の下からのぞいている寒紅梅は特に可愛く気品に満ちあふれる。(茶の湯の名 大百科)

華奢で健気で美しい、そんな寒紅梅ははっと目をひきます。ほれぼれと長いこと眺められることでしょう。まさに花の中のトップアイドルです。

梅探る(うめさぐる)

早咲きの梅をたずねて逍遙すること。海辺等々珍しい野の草、つくしやわらびを摘みながら梅を探す(茶の湯の名 大百科)

この季節に散歩するのはそもそも気持ちが良いものです。花(=梅)をだんご(=山菜)と組み合わせれば探し歩くモチベーションもさらにアップします。

こぼれ梅・溢梅(こぼれ梅)

桜と違って梅の花びらはちらちらとひそかなしんと済んだこぼれようである。(茶の湯の名 大百科)

言われてみれば梅は桜より控えめに咲く印象があるかもしれません。遠くから眺める梅も良いですが、花びらをじっくり観察してみてもおもしろいということですな。

飛梅(とびうめ)

菅原道真が左遷されて太宰府に赴くとき、「こち吹かば匂いおこせよ梅の花主人なしとてはるを忘るな」『拾遺集』(巻十六雑春)と詠んだ梅の木が、道真の配所筑紫に飛んでその庭に生え匂ったという故事。(茶の湯の名 大百科)

なんだかもの悲しい詩。たしかに匂いで記憶って蘇りますが、梅の匂いで何かを思い起こすことってなかなかないですね。

軒端の梅(のきばのうめ)

軒下、軒近くまで伸びて来ている梅の枝。(茶の湯の名 大百科)

思わず自分の庭にも欲しくなってしまいますよね。他人の軒下の梅の匂いを嗅ぐことは恐らく問題ないですし、目の保養にすることはもちろん問題ないですが、枝を一本失敬したいなんて変な気を起こしてはなりませぬ。

梅月(ばいげつ)

月に照らされた梅。どこからともなく花の香りが漂ってくる。(茶の湯の名 大百科)

夜の梅です。人影も減り静まりかえった空気感はなぜか嗅覚を鋭くさせるような気がします。月明かりに梅を見る、そんな状況に身を置いたことがありますか? ワタシはないです。まだ夜の外は冷えますしね……

梅信(ばいしん)

梅のたより。梅だより。梅の花が咲きはじめたというたよりをいう。春信と同じく冬のうちに早梅のたよりを聞くというのは春への思いを表している。(茶の湯の名 大百科)

春は皆待ち遠しいわけです。わかります、わかります! 幸せな気分になりますよね。

宿の梅(やどのうめ)

梅のいっぱい咲いている状態をいう。梅林。「春さればまづ咲く宿の梅の花独り見つつや春日暮らさむ」(『万葉集』巻五雑歌 山上憶良)。(茶の湯の名 大百科)

万葉集と言えば7~8世紀に編まれた日本最古の和歌集。山上憶良が見た梅の木々の風景とはどんなものだったのか。気になる〜! 一本だけ佇む梅の木も凜とした美しさがありますが、数本以上が連なる梅の木々は春らしく愉快爽快な気持ちにさせてくれます。

暗香(あんこう)

暗い中漂よってくる梅の香り。

(こちらだけ参照元がワタシのお茶の先生です。)昔は電気が無く夜が今より暗かったのでしょう。そんな環境では視覚を補う分、匂いにもっと敏感になるのかもしれません。現代では暗い中梅の匂いを感じる場所に身を置く機会はなかなかないですよね。あえて暗い中花の匂いを楽しんではいかが。

季節は早めに表現することは粋とされていますが、逆に花散る頃に梅を表現するのは少々野暮とされています。地域によりますが、梅は2月に咲き始めまた2月の茶の銘としても登場します。この投稿は3月後半に書いていますのでちょっとイケてないですね。

次は急いで桜のことを書かなくっちゃ。


プロフィール

ミアタケ

2年4ヶ月に及び、みそ汁をふるまう世界一周旅行をする。味噌に感化され和の文化が好きに。帰国後30歳からミア流和式花嫁修業に精を出す。
さまよいがちにグローバル化する現代ニッポンの産物であり、博愛主義の愛国者と自分自身を分析する。

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