私たちが旅したトルコ国境付近のイランから東南トルコにかけては、クルド人との良い出会いが多く、何度か味噌汁を作るチャンスがありましたが、ことごとくハズれました。
トルコ国境近くのイラン(タブリーズ)で、ふらふらと散歩をしていたときのことでした。「お茶を飲んで行きなさい」と声を掛けてきてくれたのは、小さな雑貨屋のおじさんでした。
お茶を飲みながら聞くと、おじさんはクルド人だそうです。国境の誇りっぽくて商売人の多い殺伐としたイメージの街が、温かいものになりました。
トルコでも、クルド人との出会いがたくさんありました。
ドゥーバヤジット近くに、ノアの箱舟のノアが箱船を降りてから最初に作った村があります。半遊牧の生活をしている人が多いそうです。きれいすぎて神様が趣味で作った場所かと思いました。
「サラマリコム」と声を掛けると、
「マリコムサラム!」と笑顔で大きな声で返してくれます。
「サオル!」お茶のお礼を言ってお別れしました。
ドゥーバヤジットにあるホテルに宿泊したときの運営者もクルド人の兄弟でした。しかし私たちには高級ホテルで、価格が予算以上だとこぼすと、テラスのソファでなら一人$5で寝て良いと有り難いオファーをくれたのです。ホテル客には料金を取る朝ご飯もただでくれたり、お昼や晩ご飯も自分たちの食べる分を分けてくれるのでした。そして何より、会話に混ぜてくれました。自分たちはクルド人で持てなすことが文化だと説明してくれました。
クルド人の文化をもっと知りたいと思うようになりました。
さて、お礼の気持ちを込めて、このホテルのおじさんに味噌汁をつくることに決めます。
トルコでは茄子をよく食べること、塩が欠かせないこと、油を使う料理が多いことから、茄子をたっぷりの油で焼き塩をふったものを味噌汁に使うことに。
近くの八百屋で茄子を買ってきて、あとはいつもの越後長岡味噌で作ります。私にはしょっぱいけれど、まあまあの出来です。
「味噌汁のお味はどうですか?」
「まずいっ!」
まじか!こんなにハッキリ言われたのは味噌玉世界旅史上初でした。
「油も塩も少なくて食べられない。味が無い。」
と言い、塩をふって食べ始めました。しかも大量に!!!そんなにかけたら高血圧(?)になっちゃうよ。
せっかく作ってもらったから残さず食べようと思ってくれたようで、味噌汁の具を食べてはアイラン(飲むヨーグルト)で流し込む、といった具合……
しかも最後には
「でも、見て!全部食べたでしょ!」と自慢の笑。
しかしお椀を見てみると、具だけ食べ、汁は完全に残っていました。汁を飲んでこそなのですが。
これがトルコでの味噌汁の戦いの幕開けでした。
いつも味噌汁を振る舞うのはドキドキします。
「喜んでくれるかな~?」という一心でハラハラドキドキしているんです。
今回のイベントで私の期待はまんまと覆され、トルコはダメかもと意気消沈したのでした。
ホテルのキッチン手伝いをしているしっかりものの少年たちにも試してもらったのですが、受け取る際の「ありがとう!」という笑顔がかわいかったです。
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ミアタケ
2年4ヶ月に及び、みそ汁をふるまう世界一周旅行をする。味噌に感化され和の文化が好きに。帰国後30歳からミア流和式花嫁修業に精を出す。
さまよいがちにグローバル化する現代ニッポンの産物であり、博愛主義の愛国者と自分自身を分析する。
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出汁はとらなくていいんですか?
野菜だけで旨みを得る方法はありますが、
茄子をふり塩で炒めただけ+水+味噌だと、えぐみだけが残るような・・・。
コメントありがとうございます。出汁は、味噌が美味しい味噌なのであえてとっていません。しかし私もこの味噌に出会うまでは出汁はとるものだと思っていました。メーカー元から「野菜だけのうま味だけで十分美味しい」ということを聞き、旅先に出汁を持って行くのも大変なことも手伝い、今はとっていないのです。